サヨナラ新自由主義 つくりだそう「もう一つの世界」を---WSF2009 in TOKYO
 

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 ◆ Put peoples’ rights first now!~人間の生存と尊厳を守るために:WSF東京 オープニング全体提起
2009/02/20(金)
Put peoples’ rights first now!
人間の生存と尊厳を守るために 

すぺーすアライズ 鈴木ふみ
2009年1月31日


はじめに

 私は2007年1月のナイロビでのWSF(World Social Forum)や、2008年1月のあらかわでのWSFに参加しましたが、それから今日までの1年間に、「世界同時金融危機」が起き、これを口実に多くの倒産と大量の失業者を生み、安全な住処を失い、また被占領地ガザでは虐殺がなされ、イラクの占領もまだ続いています。そして、この危機以前から起きていた、非正規雇用や失業や貧困の課題は解決から遠のいています。2008年という年は、気候変動、燃料危機、食糧価格高騰、金融危機と、危機という言葉が、次々と登場しました。

 今年の世界経済フォーラム・ダボス会議のテーマは、「危機後の世界」ですが、その危機を引き起こしている仕組みについては見てみぬふりをされています。麻生首相はダボス会議でIMFの強化やWTOの早期妥結を発言しているようですが、必要なのはそのような体制の根本的見直しです。麻生首相はアジア向けODAについても強調していますが、援助のし荒らしをして、日本の企業にお金が還流して、途上国には債務ばかりが残るので良いのでしょうか。気候変動についても環境大臣が2020年までに温室効果ガス25~40%削減への取り組みを示したようですが、これまでアメリカに同調して足を引っ張ってきた日本がいまさらという感じです。そればかりか危機自体が、原油・食糧価格高騰や抜け駆け的資金呼び込みなど、利権や金儲けの道具になっています。保健や環境対策への拠出は後回しにされてしまうことが危惧されます。

 今回の金融危機は、「百年に一度」と、その損害の規模については語られています。今の事態に対してまず必要なことは、すべての人の生存と尊厳を守ることであり、緊急支援であり、それは社会的に困難な立場に追いやられた人たちの生活を立て直すことに向けられるべきです。現実には、ばら撒き定額給付金は、原則として野宿者の人やネットカフェでの居住者、ドメスティック・バイオレンス(DV)で住民票を移動できない人には利用できません。本当に必要な人や安心・安全な住居をもてない人には届かないのです。危機にかこつけたお布施が経済刺激になるはずがありません。消費税増税は、貧しい人により大きな負担を強いるものです。

世界金融危機の原因と歴史

 「百年に一度」と言えば、誰にも責任がないかのように聞こえます。しかし、世界金融危機は天災ではありません。まず(1)1970年代から経済が、今回の暴走の枠組みをつくる新自由主義に移行し、経済のグローバル化、グローバル化を擁護するための戦争、構造調整プログラムの押し付け、金利・金融自由化、企業減税と社会保障削減と消費税導入などがなされました。(2)その暴走とも言える、アジア通貨危機→ITバブルの後数年のブッシュや小泉・竹中政策等の政策やイラク戦争をしっかりと立ち止まってふりかえり、不公正な社会の仕組みをじっくり反省し、行動の基点にすることが必要です。

 70年代の差別ある社会に登場した変動相場性、戦争経済の破綻とともに訪れた高所得国の高度成長をとめた石油ショック、その対抗策としてのG8体制、80年代の構造調整プログラム、不正債務、格差の拡大、90年代後半に入ってからは、アメリカが暴走し、95年WTO成立、国連軽視・無視の行動(国際刑事裁判所ICCの拒否、ILO拠出はするが労働格差是正せず)、軍事優先人権軽視、99年金融近代化法による金融コングロマリットの促進、2001年エンロン破綻についての無反省、ブッシュ以降の国連人口基金UNFPAへの資金拠出拒否・・・と悪事を重ねました。大量破壊兵器を口実にしたイラク戦争と占領がなされましたが、大量破壊兵器の大量保有国アメリカは、金融界にも大量破壊兵器(バフェット)を作り出し、戦争での死者、環境悪化による死者、医療など公共サービス悪化による死者、先進国主導大規模農業のために土地を奪われて死に追いやられた人、貧困と飢えによる死者をたくさん作り出しました。一度なくなった命はもう戻ってきません。そして、詐欺商法である、サブプライムの債権化、不誠実な債券や企業の格付け、不透明な領域の天文学的拡張、相互不信とつながり、現在に至っています。

 日本では、この数年、未曾有の好景気といわれる中、小泉元首相は「痛みを伴う改革」を口癖にしていましたが、次の雇用や福祉への準備も展望もないままの切り捨ては、痛みを撒き散らかしただけでした。骨太と称して、日本の社会保障と貧困対策を骨抜きにし、経営者の報酬と、株主配当は増加したものの、逆に、労働分配率が下がり、この数年でますます貧しくなりました。生活保護、失業保険、医療保険の制度の中身はいずれも悪化しています。麻生首相も施政方針演説で、痛みを伴う改革が必要と述べていますが、社会の周縁に追いやられた人たちはこれ以上の痛みなど希望していません。麻生首相は、生活者の視点を重視と発言しましたが、カップラーメンの値段が分からない首相のこの発言は、ただの票集めのための空虚な発言にしか聞こえません。

新自由主義は矛盾だらけ

 貧しい国が豊かな国を支え、貧しい人が裕福な人を養う、そのような逆福祉が世界中で、日本の中で、起きています。この強欲と無責任の「新自由主義」にはいくつかの大きな矛盾があります。

 私たちが生きている世界は人権が認められた社会です。自ら手を汚さないで略奪を目指す、雇用を人権ではなくコストに貶め、一度貸したら相手が破滅しても搾り取ろうとする新自由主義は最も大きく矛盾します。 また、新自由主義は、無制限の自由を標榜しつつ、強者は裏口から国家的保護の恩恵を優先して得ています。例えば、アメリカの自国保護政策、特許による企業の保護、プライバシー・企業秘密、不透明性、など、ルールは強者がつくり、自由は強者のものといわんばかりです。今日の儲けは僕のもの、明日の損は・・・という言葉がありますが、どう考えても新自由主義は公平な制度ではありません。その損を負わされてきたのは、女性たちであり、貧しい人たちであり、途上国の人たちであり、社会の周縁に追いやられた人たちです。しかも儲けの対象となっているものが、その負わされる人たちの生存に欠かせない、食糧であり、薬であり、実に人の弱みに付け込んでいます。

 また、自己決定・自己責任という言葉もいかがわしいものです。自己責任を口実に、貧しい人たちへの社会保障を切り捨てているのに、所得が高い人たちは、責任を負担しない仕組みです。保証や保険と呼ぶ人もいますが、パラシュート、売り抜け、企業留保などきりがなく、いつかははじけるバブルとわかっていながら詐欺の共犯関係が作られ、監査法人、格付会社が大企業の利益に沿った仕事をして、投資会社もそのことをわかりつつ加担しました。持続可能なバブルの再生産など必要ありませんし、ありえません。そして、その責任を取ることなく、しわ寄せは、弱いところへかき寄せられた感があります。新自由主義の崩壊の兆しとともに、社会の周縁に追いやられた人の生活をさらに押しつぶそうと牙を向けています。マネーゲームに興じた人たちは自己保身のために、責任を取ることなく、弱い立場の人たちを切り捨てることに走りました。彼らの好きな言葉である「自己責任」は果たされていません。再びだぶつきを起こして金融資本を暴走させようとしています。

 さらに、グローバリズムと言いつつ、高所得国の国益を守るためだけに都合のよいルールを作っています。 

経済・金融と平和の危機、環境・食と農の危機、生活・労働・雇用の危機

 今日は、いくつかのワークショップでの経済のことだけでなく、平和の危機、環境・食と農の危機、生活・労働・雇用の危機などについて話されると思いますが、平和、環境、貧困は互いにつながっており、現在の悪循環を、変革することが可能です。作られた貧しさは環境を破壊し、悪化した環境は貧しさを作ります。戦争は人と国を貧しくし、例えばパレスチナでは多くの子どもたちや女性たちが、直接殺されただけでなく、医療・医薬品等を利用できずに死に至る危険に直面しています。また、貧困は紛争の引き金になります。天然資源への需要は紛争を引き起こし、紛争により環境破壊がなされています。平和の構築、高所得国でのエネルギーと食糧の見直し、富の再配分が必要です。

金融危機と生活・労働・雇用の危機

 世界金融危機の影響で非正規の派遣切り、雇い止め、パート切りが大きな問題になっていますが、世界中で失業者が1.9億人から2.3億人にも増加し、数百万人の実質賃金が低下するといわれています。労働法制は、弱いところにしわ寄せが行くように仕立てられ、非正規、不安定雇用の下で権利が無視されています。金融危機以前もピンはね、労災もみ消し、未払い等が頻発し、過労死や職を失った人たちが健康保険証がなく体調を壊したときには手遅れで死んでいくという事態が増えてきました。アメリカ流の均等待遇なし、不均衡は選択の結果であるという論理は、労働形態による差別を生み、これをまねした日本では「規制緩和」のもとでの派遣労働の原則自由化さ、女性差別については間接差別は法に規定されたものの差別が見えにくくなっています。途上国の人たちにとっては人材流出と使い捨てが起きています。 

 アメリカや日本では、パートを女性向き労働として、女性の失業は家族が吸収すべきであり、取るに足らない課題と軽視されています。途上国では搾取の重荷は、輸出加工区やインフォーマル経済の女性労働者に集中していきました。多様性を口実にした不正義の放置がなされています。このアメリカの経済政策は、女性差別撤廃条約を批准していない、エリート女性しか優遇しない、アメリカの女性差別と連動しています。貧しい女性たちは家族を持たないと、つまり家族に服従しなければ、生活の場を持てずに貧困になり、生きていくことができないのです。女性には無償労働が担わされ、ケア労働は賃金が安いままです。また、非正規滞在外国人は弱みを握られて権利と賃金は保証されていません。途上国では人権侵害を伴う劣悪労働が起きています。

 最低賃金や労働基準の切り下げを許さず、社会保障やベーシックインカム(最低所得保障)や働いたことが報われる税額控除制度などが必要です。

 このような雇用の場の他方の当事者である会社も、新自由主義で大きな変化がありました。三角合併を含む多様な再編、株式自由化、資本金制度の改悪、国際会計基準の導入などがなされ、働く場や地域社会の一員ではなく、株主をはじめ投資者のための商品になってしまいました。

 金融の規制緩和として、金融法が新自由主義に合わせて改悪され、金融派生商品デリバティブが売り出され、金融持ち株会社・コングロマリット、直接金融の拡大化がなされ、いまや金融取引は実物経済の数十倍ともう誰にも制御不可能になってしまった金融が世界経済を支配しています。倫理を失った金融は、貸し渋り、貸しはがしをして、必要なところにはお金が行かなくなっています。

 世界全体の富は増えているはずなのに、新自由主義の下、居住の権利も保障されず、安全な住居を確保できない人が増えています。

 生活保護については、水際作戦をはじめとする違法・不当な運用をなくすとともに、必要な人が利用しやすくすることが必要です。女性の貧困については見過ごされてきましたが、賃金や正規雇用の割合などジェンダーによる格差があり、金融危機によってますます深刻化することが懸念されます。

 毎年、妊産婦や子どもたちが少なくとも1000万人以上も死亡しています。HIV/エイズ、マラリア、結核の3大感染症の死亡者は毎年約500万人です。その死亡者の大半やサハラ砂漠以南のアフリカなど、貧しい国に集中しています。また、日本でも、貧困で保険料を支払えないために健康保険を使えず、医療を利用できない人は増えており、産科・小児科医療は人員が確保できず崩壊の危機にあります。また医療の地域格差は日本でも世界各地でもますます広がっています。PFIをはじめとする動きは地域医療を崩壊させます。

 債務関係については、利用者のためにならない無責任な貸付を予防すると同時に、国内では、貸し渋り・貸しはがしを規制すべきです。地方公共団体については、地域財政再建法による財政再建団体になると住民サービスの切り捨てさえ起きる制度の見直しが必要であり、社会資本整備の民間事業化PFIの見直しも必要です。

 衛生的な水は人の生活に不可欠ですが、これさえ売り物とされています。
 どのような場所で、どのような立場で暮らしているかという違いだけで、生存を脅かされる人は増え続けています。

 高齢者の中での格差が広がり、貧しい女性高齢者の課題は深刻であり、高齢者福祉は切り捨ての一途をたどり、高齢・障がい者が「尊厳」死という美名の下でこの世から消し去られようとしていることも、自己決定の中の出来事と扱われてしまっています。児童扶養手当の削減も後期高齢者医療制度の保険料徴収も、凍結にはなりましたが廃止ではありません。

 障害者自立支援法の応益負担導入によって、身体障がい者、知的障がい者たちは悪影響をこうむっています。精神障がい者に対しては、心神喪失者等医療観察法を設けて管理・監視を強め、精神保健福祉法を改悪してより強制入院や保護室監禁がしやすくなりました。精神障がい者だけでなく、徹底した監視と管理によって治安を守ろうとするこの社会は、大企業や金融資本の民営化、自由化と、複雑化による不透明化とは正反対のもので、共謀罪によって強い管理ができるようにする動きがあります。社会から排除された人は、潜在的犯罪者として監視され、予防中心の医療・保健もその役割を当てられています。外国人に対する頻繁な職務質問、日本版US-VISIT、難民認定の少なさなど分別して区分けしてしまうことで排除と管理を強めています。

 教育については、中間層の人に対しては新自由主義に従順になるような教育が進められ、途上国では低所得者や女性、貧しいひと、農村では教育が行き届かず、労働力として酷使され、また、先進国でも教育は子どもたちに夢や希望を示すものではなく、世代にわたって格差を固定させる教育に陥っています。子どもの貧困、子どもの医療保険の利用さえも困難になり、格差は固定化し、学校は新自由主義に適応し、ガラスの天井の運命を受け入れる場になっています。

 男女区分・異性愛に該当しない人たち(LGBTIQ)の人たちへの差別禁止と権利保障も進んでおらず、ともに生きる共生社会にはほど遠い状態です。誰もが切り分けられることなく利用で知る社会サービスが必要です。

金融危機と環境・食と農の危機

 金融危機のしわ寄せが環境・食と農の分野を直撃しています。農業、食糧、燃料もばくちの対象になっています。農業の資本化とともに、小規模農家や女性の労働はより過酷になり、飢えるようになっています。世界銀行は、小農をグローバリゼーションの邪魔者とみなしていて貧しい人を土地から排除し続けています。モンサント社は多くの農作物関連の遺伝子特許を取得していますが、気候変動に対応できる種はもともと途上国の農民や女性たちが栽培してきたものであり、特許による独占は横取りに過ぎず、種の栽培に不可欠と称して農薬と肥料を売りつけることによって途上国の小規模農家や女性たちはますます貧しくなっています。特許権保護は、生命や食糧についてもばくちの対象となり、リスクや損失は弱者に押し付けられています。

 環境については、気候変動の主原因は新自由主義にありますが、アメリカが批准していない京都議定書の次の枠組みの作成において、高所得国と中進国の利害が錯綜し、義務が不明確なまま、排出量取引にも不公平が持ち込まれ、金融商品として市場原理の導入も議論され、新たなビジネスチャンスとして利用されています。しかし、途上国では、日々気候変動によって多くの人たちが移住を余儀なくされ、水汲みや災害避難や復興に支障が生じ、農業への損害、健康リスク、途上国、貧しい人や女性たちにしわ寄せが起きています。新自由主義がもたらした産業廃棄物の輸出制限とリサイクルの拡大も緊急の課題です。

 先進国の豊かさ自体を問わない対策は、偽善に過ぎません。途上国では「適応」といっても、その中でも社会の中心から追いやられた人たちにとっては、何もするすべはなく、気候変動への「適応のアパルトヘイト」という越せない階層分け状態が起きています。

 生物多様性の破壊についても途上国には環境のみならず、生活や仕事の破壊、自然災害が起きています。バイオ燃料の停止、天然資源の利用、違法貿易の抑制が求められます。

金融危機と平和の危機

 金融危機は平和の機器にも直結しています。戦争は人を傷つけるものですが、人こそ財産のはずです。小さな政府といっても、毎年1兆ドルを超える軍事費は削減の対象にはなっていません。戦争は生命と人権を犠牲にするものであり、戦争は経済危機の解決にもなりません。戦争が需要を生むという軍事ケインズ主義を採用したアメリカはベトナム戦争、イラク戦争から何も学んでいません。

グローバリゼーションなど

 貿易自由化によって失業は増えています。公共サービスは切り捨てられ、食料主権が放棄させられ、食糧危機が深刻化しています。昨年新たに約4000万人が慢性的な飢餓に陥り、世界の飢餓人口の推定が10億人近くに膨れています。

 海外援助においては利息の制限も必要です。重債務最貧国の支払い不可能な重い債務を帳消しにすることが必要であり、不良プロジェクト押し付け、環境破壊を引き起こすプロジェクトを持込んでおきながら債務も負わせることは不正であり、その帳消しが必要であり、腐敗防止条約の批准も早急に求められ、援助におけるコンディショナリティを原則廃止すべきです。金融取引に対しては、トービン税課税とタックスヘイブン・オフショアへの厳しい規制も必要です。また、ODAの国民総所得比0.7%の実現やアメリカODA倍増も、金融危機を口実に遠ざかろうとしています。またそのODAについては、南から北へ資金が逆流させられており、対テロ戦争用として使われ、結局、拠出国の国益のために利用されています。移住者については、先進国は国連の「移民労働者とその家族の権利保護条約」を批准せず、非正規滞在者の排除など一般的な移民拒否をしつつ、「グローバリズム」と称して、有能技能者、保健・福祉人材の引き抜き、外国人労働者・研修生の都合の良い利用と使い捨てをしています。移住者たちの送金の保護が必要です。アウトソーシング化は海外での人権侵害をもたらします。また経済のグローバル化は金で支配できる悪しき領域の人身売買、臓器売買の被害を拡大させています。

社会運動について

 昨今のアメリカに追従してきたことを反省するだけではありません。新自由主義という、大金持ちと、そのおこぼれにあずかろうとする中金持ちが大金持ちを支え続けるという仕組みを見据える必要があります。社会から排除された人を見て、あのようでなくて良かったと「安心してしまう」社会を、変えなければなりません。誰かの命や健康までも犠牲にして成り立つ安心で、本当に満足できるのか、日本で暮らす人たち全員が考え直すべき課題です。もう一つの日本を、世界を作るための社会運動のあり方についてもこの場で議論できればと思います。ヨーロッパでは、特に北欧では、福祉と環境とジェンダーに配慮した政策が採られています。イスラム社会には昔から労働以外で収入を得てはならないという発想がありました。ラテン・アメリカでは反米政権が誕生して、国の経済的自立を目指した改革が進められ、米・オバマ政権では、環境と健康保険・教育改革が始められようとしています。新自由主義の被害を最も大きく受けてきたアフリカにも、自発的な運動が進められています。市民のための金融、貧しい人のための金融も試行錯誤が始められています。このような社会構造の変革と同時に、誰もが「あのようではなくなった。良くなった」と思う社会づくりが必要です。「ここまで来た」「このようでありたかった」という社会への熱望です。①階級論で切捨てられることなく、②家族を安価な緩衝罪として女性だからといって軽視されない変革、③宗教原理主義やナショナリズムによって排除が起きない変革が必要です。

 「もう一つの世界」を作ることを目指すWSF2009の日本からの参加者の報告会が3月にあります。

人口問題の復活(参考資料)

 「過剰人口」という考え方、捉え方に歯止めをかける必要があります。新自由主義が始まったのと同じ時期から、裕福な者の現状を守るために、貧困も飢餓も環境破壊も紛争も、すべて「貧者の人口」の問題にする議論が盛んになり、今も消えていません。人口の量と質を管理するため、女性の身体をコントロールすることがなされてきました。女性運動の中から生まれたリプロダクティブ・ヘルス/ライツという考え方が広まったことによって、露骨で強制的な人口管理は見えにくくなりましたが、女性を身体丸ごと管理する発想はなくなったわけではありません。

女性を利用しないこと

 日本でも世界でも女性たちは、格差や不満の吸収弁、調整弁の役を割り当てられてきました。家族の中で、貧困のために食料を真っ先に削られるのは、女性たちです。貧困や家族の介護のために教育を受ける機会を先に断念せねばならないのは、少女たちです。女性の身体にしか起きない妊娠・出産の安全は、新自由主義や民営化の中で置き去りにされた保健の分野の中でも、もっとも後回しにされています。女性たちは過酷で低賃金で、権利の保障も弱い不安定雇用の対象にされながら、それを当然とさえ位置づけている社会があります

さらに女性たちは戦争・紛争下も含めたあらゆるところで多くの暴力にさらされています。高齢者の女性たち、障がいや疾病と共に生きる女性たちへの福祉サービスは、北欧などの一部を除き、お粗末な限りで、新自由主義の中では、福祉・社会サービスはさらに切り捨てられています。しかも女性たちの声はなかなか聴かれません。女性を搾取の対象にするのではなく、「もう一つの世界」はすぐ身近にいる女性の権利が保障される社会、その先にある誰もが「生きてください」と言われる社会である必要があります。

 すべての人が生きる価値があり、その生存と尊厳を守る社会が必要です。
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